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「クオリアと人工意識」を読みながら

 投稿者:ルカ  投稿日:2021年 5月 8日(土)01時04分40秒
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   第8章で自由意思について、ジョン・エックルスがカール・ポパーとの共著「自我と脳」で著した考えを、
『エックルスの考えによれば、心と脳は独立した存在である。そして、心は、物質である脳に作用する。
その作用の場所は、神経細胞と神経細胞を結ぶシナプスである、ここにおけるプロセス、とりわけ、
量子力学的な効果を通して、心は物質である脳に作用する。これが人間の「自由意思」のメカニズムである…。
 エックルスの心と脳の関係、自由意思に関する考え方は、控えめに言っても「大胆」なものである。
物質である脳に人間の意識が作用する機序も、伝統的な科学の枠組みから考えるとそれを受け入れることは難しい。』
と書かれています。

 エックルスの考えが正しいのかわかりませんが、人間の心、意識、思考、知能などを脳から考えるとき、
「量子力学的な考えの転換(?)」が必要かもしれないと思っていました。
もし、脳波を、また神経インパルスをどんなに細かく分析しても、
そこに心や思考や感情などが現れない(クオリア?が現れない)としたら、
脳波や神経インパルスの伝達を、単に電気の流れや波として扱うのではなく、
よりミクロ(高次?)なレベルの法則を探る分析法が必要になるのかもしれない、と思ったのです。
 それは目に見える範囲の物理現象は、ニュートン力学で説明できるが、
よりミクロな現象を説明するためには量子力学が必要であったように、です。

 同じく第8章では、自由意思と拒否権という項目で、
『ベンジャミン・リベット(Benjamin Libet)によれば、ある選択肢が意識に上る前、典型的には約一秒前から、
脳の中にはそれを準備する活動が生まれている。
 また、他の様々な研究グループのデータによれば、意識に上る数秒前、場合によっては十数秒前から、
ある選択肢に向かう神経活動が見られることがわかっている。
時間的なスケールは、神経活動の「シグナル」と「ノイズ」がどれくらい統計的に分離できるかといった状況、
条件に依存しており、実際にはかなり前から選択肢が準備されている事例がある可能性が高い。
…もし、選択肢自体は無意識が準備しているとするならば、意識の働きは何なのだろうか?
 意識は、「拒否権」(veto)の役割を担うものと考えられる。つまり、意識は最終的なチェックを行うのであり、
無意識の準備した選択肢を実行することも、拒否することもできるのである。』
と書かれています。

 リベットの実験から、「自由意思というものは無い」という意見があります。
しかし、意思は人の行動を制御しています。
いろんな考えが浮かんでも、それを実行するかどうかは意志にかかっていると思います。

 以下、感想のようなもの、個人的な考えです。リベットの実験も、他の実験グループの論文も読んでいないのですが、
この課題では、被験者は「手首を動かす」ということを意識しているはずで、日常的な状況とは言いにくいように
思います(何か妙に動かしたくなるということが起こりえるのではないでしょうか)。
 またこの実験は一回6秒以内としたそうです(指示として与えたのかはわかりません)が、
何らかの影響があったかもしれません。
この実験に関しては「6秒以内に、手を動かそうと思って、やめてください」と指示したら、
また「動かしたくなっても動かさないでください」と指示したらどうなるのか、関心があります。
実際にされているのかもしれませんが。

 体が先に反応するということに関して、私たちが運転中に、飛び出してきたものに対して急ブレーキを踏めるのは、
意識的に気づく前(何かを明確に認知する前?)に脳が反応しているからだと言われますが、
そう考えれば、明確に意識する前に体が実際に動いたとしても不思議に思えませんし、
リベットの実験は、ある意味で無目的な動作をするものであるゆえに、不思議な感じを受けるのかもしれません。
 
 
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