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「クオリアと人工意識」を読んで

 投稿者:ルカ  投稿日:2021年 5月10日(月)16時08分41秒
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  第9章で、「私」の「自己意識」の連続性について、
 『意識には、常に「今、ここ」しか存在しない。一方で、私たちは自分の人生を、生まれ落ちて
ものごころついてからの時間の流れの中で覚えていて、ほぼ一日に一回、睡眠によって
意識の流れが断ち切られるとしても、ずっと同じ「私」が続いてきたと感じている。
「人生って短いな」と慨嘆するときには、前提として、同じ「私」がずっと存在していて、
その「私」が生きている「人生」というものが続いていると仮定している。
 睡眠などで意識が途切れる前後で「私」はいかに続くかという問題は確かにあるが、客観的な
視点から見ればそのような問題さえ実は存在しないように思われる。
 …しかし、実際には、人体を構成する物質は常に入れ替わっている。細胞は分裂と死滅を繰り返す。
神経細胞や、その間のシナプス結合は同じパターンを保ち、だからこそ記憶も保持されるが、
神経細胞やシナプスを構成するタンパク質などの分子は代謝によって少しずつ入れ替わっている。
 「私」を構成する物質は、数週間も経てば入れ替わってしまう。それでも、同じ「私」だと
果たして言えるのか。』
と書かれ、
「セテウスの船」の話から、複製意識について、バートランド・ラッセル(Bertrand Russell)の
「5分前仮説」、アンリ・ベルクソンの「純粋記憶」(pure memory)へと考えて、
 『純粋記憶の問題を追及することは、私たちの自己意識が、この宇宙の全歴史の中で一回だけの
ものであり、一度死んでしまえば二度と戻らないという、自己意識に関する「セントラルドグマ」が
果たして正しいのかどうか、そのことを解明することにもつながっていくだろう。』
と結ばれていますが、
 「私」が「私」であり続けることの理由は、人間には霊があるからだと私は思っています。

 脳機能の研究で、あることをしているときに脳のどこが働いているか、
代謝画像を用いて研究がされ、非常に発展しています(それが代謝を見ているのであるなら、
神経インパルスを直接見ているのではありませんが)。
 大脳で数百億個、小脳で千億個、脳全体では千数百億個あると言われる脳の神経細胞に対して、
代謝画像の空間的な解像度はどれくらいでしょうか。
 大脳では1立法ミリメートルに10万個ものニューロンが詰まっているそうなので、
用いられている画像の空間的な解像度は、まだまだ及ばないだろうと思います。
 リハビリテーションの世界から離れて10数年経つのでよくわかりませんが、
脳そのものについても、私自身についても、まだよくわかっていないのではないかと思うのです。


 私たちは日常生活の中で、様々なことを感じています。
たとえば仕事をしているときでも、
何時までに電話をしておこう、○○君はちょっと元気がないな、今日のシャツは着心地がいい、
朝食はおいしかった、今日は変換の効率が悪いな、目が疲れた、今月はうちの業績は良さそうだ、
喉がかわいてきた、外で物音がした、昼までにこの仕事に一区切りつけよう、今話をしているのは△△さんだな、
ちょっと暑くなってきた、PCに便利な機能があったはずだが…、出張の精算をしておかなければ、
家族の体調はどうかな、腰がだるくなってきた、ズボンを一本買い足そうか、休憩になったらトイレに行こう、
足がかゆくなってきた、帰る前に机の上を整理しとこう、…とか
様々な考えが浮かんでくると思います。

 これらの思いに対して、すぐに行動しなくとも、
それらに関係する脳の領域が活性化していても不思議でないと思いますが、
それらの考えの一つ一つを、画像から知ることは現状では無理だと思います。

 また、実際に代謝画像を撮る場合(その時に見たい領域はほぼ決まっていると思いますが)、
被験者のする課題は同じでも、その時々で違う考えや感情が浮かんでいるとしても、
解像度が低いので、そういうことが違いとして画像に出にくいことがあるだろうと想像します。
 逆に、ある程度の時間、ある程度の体積の平均値として出るので、
課題等に対して、安定したデータとして見えていると言えるのかもしれません。
 空間的にも、時間的にも解像度が高まれば、さらにいろいろなことがわかってくるのでしょう。

 エピローグで、『昔、ある物理学者(ジョン・ホイーラーだそうです)が、
この世界の電子の質量がみな同じなのは、実はこの宇宙には電子が一個しかないからだと言ったように、
実はこの宇宙には意識は一つしかないのだ。…』
と登場人物に語らせていますが、
 おそらく電子は質量だけでなくその性質もみな同じであり、そして他の粒子も同様だと思いますが、
それは神が造られたからだと私は信じます。
 
 
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